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着物ができるまで vol,132016.08.22

 

8月も半ばを過ぎました

今年はなんだか朝晩は少しだけ暑さも和らいでいるような、そうでもないような、、

台風もたくさん来ているみたいですが、京都は相変わらず暑いまんまです

9月に入れば少しは和らぐといいのですが。。

涼しくなれば着物も着やすくなりますので、京都に着物でお出かけも楽しいのでは

 

今回の工程紹介は工房内での作業ではなく、蒸し工場にもっていってしていただく作業の紹介です。

蒸し工場では主に「脱蝋(だつろう)」、「蒸し定着」、「生地の整理」の3つをしていただいています。

おそらく細かく言うともっと沢山の工程があると思うのですが、外注でしていただく作業なので残念ながらあまり詳しくはわからないのです。。

ですので、今回は大まかな説明のみになります。

もしかすると多少知っていることと本当のことに差異があるかもしれません。ご容赦ください。

 

そして、文章多めになります

すみません

 

まずは、「脱蝋(だつろう)」の工程では生地に付着している蝋(ろう)を落としていく作業です。

パークレンという揮発性の液体に生地を通していきます。

温めたものでないと蝋が溶けないので加熱して使用します。

パークレンはドライクリーニングの染み抜きなどにも使われているようですね。

 

蝋がすべて落せたら、生地を乾燥させて「蒸し定着」へと進みます。

生地を蒸すことによって、染料が生地にしっかり染まります。

蒸す前の染料はとても不安定で、水分などがついてしまうとすぐに動いてしまいますので、この蒸し定着が必要になります。

時間はだいたい40分から60分くらいでしょうか?この辺りは詳しくわからないのですが、おおよそこのぐらいだと思います。

色が濃い場合、色によっては2度蒸しといって、1度蒸しをかけた後にもう一度蒸しをかけることもあります。

蒸し終わった生地はこの後「水元」といって水の流れている川の様に水の流されている場所で水にさらされます。

この水元では、生地についた余分な染料が水に溶けだしていきます。

生地にはそれぞれ、繊維にふくめる染料の量が決まっています。

なので、濃く染めようと過剰に染料をのせてしまうとここの工程ですべて流れ落ちてしまうことになるわけです。

濃くしようと何度も濃い染料で染めても、生地の表面に染料がのっているだけで、繊維に浸透していないわけですから無駄な染料になってしまいます。

 

 

水元が終われば、「生地の整理」の工程に入ります。

脱蝋、蒸し、水元が終わった後の生地は、しわくちゃになっていたり、よれてしまっていたりするので生地目や繊維の方向を整えます。

生地の整理がなされていない生地はがさがさしていて着物にはとてもできません。

この工程を行うことで、絹本来の光沢や美しさ、気持ちの良い肌触りがでてきます。

 

さて、蒸し工場から上がってきた生地になります。

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生地のしわ、よれもなくすっきり綺麗に上がりました。

ここまでくればほぼ8割9割完成です。

後は仕上げをして、お客様に着ていただけたときに完成します。

 

では、次回は仕上げの金加工です。

 

初回⇒第1回

前回⇒第12回

次回⇒To be continued

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